研究概要 |
本研究では,マルチモーダル対話システムの6階層モデルの仕様策定,階層間APIの標準化,および参照システムの構築と公開を行い,研究者間で共通に利用できるマルチモーダル対話システムのプラットホームとして完成させることを目指している.平成21年度は6階層モデルの標準化とプロトタイプシステムの開発に関して,以下の項目を実施した. ・ 昨年度までに検討してきたマルチモーダル対話システムの6階層モデルについて,各階層の役割,および階層間APIを文書化した.また,この内容を情報処理学会試行標準委員会に提出し,平成22年2月3日に第12番目の試行標準として公開した.URLは13.の備考を参照されたい. ・ 上記の施行標準に従ったマルチモーダル対話システムとして,PC上の一般的なブラウザで動作するwebベースのマルチモーダル対話システムを試作した.このシステムは申請者らがGalateaプロジェクトおよび音声対話技術コンソーシアム(ISTC)において開発を進めてきたGalateaツールキットをベースにしており,実写真から作成した擬人化エージェントとのマルチモーダル対話をwebブラウザ上で行うことができる.ブラウザ側の処理はデファクトスタンダード(Flash, Java Applet, Java Script等)のみを利用して実現しているため,一般的なwebユーザが特別なソフトウェアやプラグインをインストールすることなくマルチモーダル対話を体験できる.6階層モデルに準拠することによりシステムの構成変更に対する柔軟性が増したことから,モダリティや対話記述言語を切り替えることが容易になった.
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