研究概要 |
本研究では,マルチモーダル対話システムの6階層モデルの仕様策定,階層間APIの標準化,および参照システムの構築と公開を行い,研究者間で共通に利用できるマルチモーダル対話システムのプラットホームとして完成させることを目指している.このうちマルチモーダル対話システムの6階層モデルの仕様策定および階層間APIの標準化については平成21年度までに完了している.平成22年度は参照システムの構築の一環として,マルチモーダル対話システムのプロトタイプ開発に関して,以下の各項目を実施した. ・多様な端末で動作するマルチモーダル対話システムの実現を目指して,スマートフォン上で動作するシステムを試作した.このシステムは平成21年度に作成したPC上の一般的なブラウザで動作するマルチモーダル対話システムをベースに構築した. ・ユーザとシステムとのシームレスなマルチモーダル対話を実現するために,対話エージェントが端末間を自由に行き来するためのシステムのアーキテクチャとプロトコルを検討した.また,プロトタイプを作成して,PCとスマートフォンの間を対話エージェントが移動することを確認した. ・開発者が容易にマルチモーダル対話システムを開発できるよう,Webアプリケーションの開発にしばしば用いられるJavaScript用の対話APIを作成した.これによりエージェントによる発話,エージェントの移動,ユーザの発話受付やマルチモーダル入力等がJavaScriptプログラム内で自由に記述できるようになった.
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