研究概要 |
サラウンドマイクロホンアレーを用いて音環境内のあらゆる音イベントを文字として記録するだけでなく, その音イベントの発生位置や時刻情報とあわせて構造化可能な音場トランスクリプションシステムの構築を目指して, 科学研究費補助金交付期間内に下記の項日について重点的に検討を行う. ・1. サラウンドマイクロホンアレーの最適配置問題の検討 ・2. サラウンドマイクロホンアレーによる音イベントの位置および発生検出 ・3. サラウンドマイクロホンアレーによる音イベントの高音質受音 ・4. 上記に基づく音場トランスクリプションシステムの構築 平成20年度は上記項目の1.サラウンドマイクロホンアレーの最適配置問題の検討と2.音イベントの位置および発生検出を行った. 具体的には, 音環境の周囲全体にマイクロホンアレーを配置して音環境内のあらゆる位置において必ず直接音を受音できる環境を構築し, 高品質な音イベントの抽出を目指した. その結果, マイクロホンアレーの最適サラウンド配置により室内の音源位置を高精度に推定できることを確認した. さらに, 従来のアレー信号処理の枠組みを拡張し, アレー信号処理加えて音源識別技術を取り入れることで, サラウンドマイクロホンアレーを用いた新しい音イベント検出(位置および発生検出)方法を検討した. その結果, 推定した音源位置に対して音イベント内容を高精度に識別できることを確認した. 今後は上記項日3. 検出した音イベントの高音質な受音に取り組む計画である.
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