近年低侵襲治療法のひとつであるインターベンショナルラジオロジー(IVR)が、血管系病変の治療において大変注目されている。IVRでは、長時間の治療による被曝を極力少なくするため、通常撮影条件の数十分の一程度の条件での収集のため、線量不足による粒状性(量子ノイズ)が着目対象であるガイドワイヤ、カテーテル、血管などの線状陰影情報を強調させることが、重要な研究課題となっている。 本研究では、IVR画像の画質改善、および血管強調に焦点を絞り、ICA ShrinkageフィルタとMultiscalフィルタを組み合わせた適応的(adaptive)な画質改善法の開発により、IVRの画質改善と血管強調の両方を同時に達成できる手法を開発し、その実用化を目指す。 平成20年度においては、以下の研究進展を進めていた: 1. IVR画像における血管信号を強調するMultiscaleフィルタを開発した; 2. IVR画像に適したICA Shrinkageフィルタの開発し、量子ノイズを除去した; 3. ICA Shrinkageフィルタの結果とMultiscaleフィルタの結果を融合させる方法を開発し、 画質改善(ノイズ除去)と血管強調が、同時にできる手法を確立することができた ; そうして、今まで開発した手法をベースにして、平成21年度では、IVR動画像を対象とする手法の開発を行う。さらに、実用化を目指した検証実験を行う。
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