研究概要 |
(1) 人間行動をプロファイル化する階層ベイズモデルのプロトタイプの実現 : 多様な状況での人間行動データを, 個別ではなく同時に扱うグラフィカルモデルを構築した. 多様な状況に動的に対応可能なベイズアプローチとして, ディリクレ過程に着目し定式化した. 本年度構築したアルゴリズムの適用事例として, 行動取得環境内で計測した人の生活行動を対象として, 簡易なセンサでの実現を前提に, 各日時の活動量を表現する統計モデルとして構築した. この統計モデルは, 状況に応じて得られる最適パラメータが異なるが, 本研究で構築したモデルは個別の状況をカテゴリ化する枠組みとして活動量モデルをクラスタ化するアルゴリズムである. 構築した枠組みでは, 従来問題とされてきたクラスタ数の自動調整を行えることが利点の一つとして挙げられる. また, クラスタリングの妥当性を検証するための高速なデータ可視化アルゴリズムを構築し, 有効性を検証した. (2)行動モデリングの実証プラットフォームの構築 : 行動データのモデリングの検証には精密なリファレンス・アノテーションデータ不可欠である. 本研究では検証用のデータ蓄積環境の構築によりこれに応ずる. 本年度は, 研究代表者の所属する研究室で既に開発されている行動計測装置を発展させ, 実証プラットフォームの基盤となる無線センサ計測環境のプロトタイプを試作した. 計測手段として焦電センサ・超音波センサを利用し, 人間の活動量を計測するものであり, 通信モジュールとしては設置場所の汎用性を高めるため簡易な通信技術であるZigBeeプロトコルを利用している.
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