研究概要 |
平成20年度に開発した人間行動モデリング手法のプロトタイプをベースに,人間行動のレスポンスを記述する回帰型の計算手法を構築した.これにより,生活パターンの推定だけでなく適用可能な対象が行動予測などへ展開できることを確認した.次に,行動モデリング計算手法の効率化・安定化・並列化を行った.平成20年度で開発したプロトタイプ計算法はモデルの定式化の妥当性検証を目的とするものであったが,今年度は構築した人間行動モデリング手法の計算効率性の向上に努めた.具体的には,大量データからのモデリングを考慮し,計算の実質に不要な特性として,事前にデータを量子化しておくことで,カテゴリ割り当てなどの計算の効率性を大幅に高める手法を開発した.データの量子化に加え,今年度より導入を行った変分近似アルゴリズムの適用により,平成20年度に開発した手法と比べ,約千倍程度の速度で計算が可能であることを確認し,大量データへの展開を容易なものとした.また,因子検出を動的に行うためのオンライン逐次学習アルゴリズムとして,十分統計量のみに基づくカテゴリ推定とパラメータ更新手法を開発し,実人間行動データにて,その有効性を検証した.上記のモデルをベースに,生活行動データにおける人間行動モデリングの検証も行った.平成20年度に開発中の計測環境を整備し,人間の活動量を計測しモデル化を行った.特にディリクレ過程に基づく効率的な人間行動モデモデリング手法により,週ごとの特定イベントの動的検出を実現し,得られた因子からのプロファイル技術の応用可能性を検討した.
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