研究概要 |
本研究では,ロボットが集団の状態を認識するために必要となる手法の確立と,ロボットが集団状態に基づいて自身の振る舞いを変化させて集団状態を制御するための手法の確立を目的とし,研究開発を進めた. 具体的には,初年度に確立した集団状態認識手法・集団状態制御手法をコミュニケーションロボットに実装した.集団状態を認識するために,環境内に設置されたセンサ群を用いて集団状態認識を行うシステムを開発し,コミュニケーションロボットと開発したシステムの統合を行った.なお,昨年度に確立した,集団状態認識手法を用いて実環境内で取得されたセンサデータから集団状態認識を行う研究に関する論文が,査読付き論文誌に採択された.集団状態の推定には,実環境内で取得した人位置情報を対人距離に基づいてクラスタリングし,空間内に存在する人々の密度に基づく特徴両抽出などを行うことで,集団状態を推定するために重要となる特徴量を用いた.その取得された特徴量に対してサポートベクターマシンと呼ばれるパターン認識手法を用いて,精度よく2種類の集団状態推定を実現した.また,人とコミュニケーションを行うコミュニケーションロボットを用いて,人々と音声対話を行う際の引きこみという現象に注目して行った実験に関する研究成果が,国際会議The 2009 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Rohots and Systems (IROS2009)に採択されるなどの,順調な成果を上げた.
|