研究課題
本研究は、非接触型ICカード、カメラなどのデバイスを利用して、店舗内での洋服や雑貨など(以後、モノとする)への個人の行動を観測し、モノに関する個人の行動と興味の関係を数理的にモデル化することにより、個人が身体的・心理的に負担を感じることなく、各自の興味に適するモノの情報を店舗内の情報端末を通して手に入れることのできるユビキタス環境を構築することを目標としている。本年度では、以下の2点を実現した。1.ユビキタス環境の強化:各個人のいる場所をセンサーで特定し、その個人の近くの情報提示装置(例えば、ディスプレイ)に、その個人の興味に適する可能性のあるモノの情報を、その個人の興味を推定するモデルを用いて提示する機能のプロトタイプを構築し、先行研究で作成したユビキタス環境に追加した。2.興味の推定実験とモデルの改良:強化したユビキタス環境を設置した模擬店舗内において、被験者による購買実験を行った。購買実験の途中で情報提示装置にその個人の興味に適するモノの情報を提示し、その情報に対する個人の行動の観測を行った。提示したモノに興味を持ったモノに関しては、それを注視する傾向がみられ、その結果を利用して個人の興味を推定するモデルの改良を行った。興味の推定のモデル化には、ラフ集合と統計手法を組み合わせた手法を開発し、またモデル化の結果を2次元マップとして表現する方法を確立した。本年度の成果により、各個人の興味に適するような情報を投げかけることにより、各個人の興味をより詳しく推定することを可能とした。
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