研究概要 |
自律移動ロボットの脳型知性をハードウェア実現することを目標とし,以下を行った. 1.自己組織化ニューラルネットワークのための動的再構成プラットフォーム開発 4種類の自己組織化ニューラルネットワークを演算可能な動的再構成プラットフォーム開発を行った.自己組織化マップをはじめとする自己組織化ニューラルネットワークには多数の派生アルゴリズムが存在する.これらの派生アルゴリズムは,機能は異なるものの,演算要素レベルで分析すると,距離尺度演算や勝者決定演算など,共通に取り扱える部分が多い.提案プラットフォームでは,2種類の距離尺度演算,2種類の勝者決定演算回路を作成し,それぞれを組合わせて4種類の自己組織化ニューラルネットワーク回路を構築した.ベンチマークテストでは,最新CPU比で約100倍の演算性能を示した.FPGAの動的再構成能力を生かしてソフトウェアから動的に再構成・制御することで,脳型計算機汎用プラットフォーム構築のためのプロトタイプとしての可能性を示した. 2.ポータブルなFPGAボードhwModule VCの開発と動画像処理への応用 自律移動ロボットへ脳型ハードウェアを実装するために,CardBusインタフェースを持つFPGAボードhwModule VCの開発を昨年度に引き続き行った.これにより,小型ノートPCとhwModule VCで小型・高速・低消費電力の実験プラットフォーム構築が可能となった.また,昨年度開発した動画像圧縮伸張回路の改良を行い,背景認識機能を付加した.
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