本研究は、動的に状態か変化するニューフルネットワークの理論を構築し、その理論をロボットなどめ運動制御へ応用することを目指している。動的なニューラルネットワークとは、系のダイナミクスが安定平衡点や安定リミットサイクルのような単純なアトラクターへ収束することを必ずしも前提としない、ということであり、また、ロボットの運動としては二足歩行のようなリズム運動を考えている。 二足歩行は一見単純なリズム運動で実現できるように思われるが、環境への適応や学習による運動の獲得などを考えるためには単純なリズムだけでは不十分であり、本研究が目指しているような動的な性質、すなわち運動状態を動的に変化させるネットワークが必要となる。 今年度は生体において生成されたリズムと我々のモデルとの比較を行うため、実験家との共同研究を開始した。扁桃体という生体の感情を司る部位であり、運動とは直接めつながりはないと考えられるが、我々のモデルが工学的応用可能性が高いだけでなく、生体との対応も非常に良いことを確認することができた。出版のタイミングにより、今年度の成果は学会発表1本のみとなっているが、次年度春にこれらをまとめた論文が査読付き国際論文誌に掲載される予定である。 今後はこのネットワークへの学習の導入や、生成されたリズムの二足歩行モデルの制御などに取り組む予定である。
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