研究概要 |
今年度は,まずWordのマニュアルにおける修辞構造を自動取得する手法について研究を行った.25個のマニュアルテキストを元に作成された修辞構造のルールを用いて自動化のアルゴリズムを構築した.そのアルゴリズムを25個のマニュアル,25個以外のマニュアル,異なるバージョンのマニュアルに適用し,評価を行った.その結果,25個のマニュアルについては95%,25個以外のマニュアルについては72%,別のバージョンのマニュアルについては72%の精度で自動分析が可能であった.修辞構造を自動取得することにより,マニュアルの重要部分を自動で抽出することが可能になり,初心者向けの対話によるヘルプシステムの実現が可能となる. 次に,初心者ユーザが利用しやすいインタフェースについて研究を行った.画面上に初心者でも使い方の分かる絵の日用品を模したアイコンを置き,それらの組み合わせによってアプリケーションを操作できるインタフェースを構築した.事前調査として,PC操作と同等と感じる日用品を選定してもらう被験者実験を行った.調査結果を元に,使用する日用品を決定した.構築したシステムに対して,初心者と上級者について評価を行った.その結果,PC上級者・初心者問わず,絵の日用品を用いてアプリケーションを起動できることを確認した.提案したデスクトップ環境により,現実世界において作業を行う感覚・認識に近い,直感的な操作が可能であったことから,普段利用しているもののアナロジーは初心者にも上級者にも有効であると言える.
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