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2009 年度 実績報告書

XMLによる初期刊本の本文記述の方法論の確立と印刷史研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20700225
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

安形 麻理  慶應義塾大学, 文学部, 助教 (70433729)

キーワード書誌学 / 印刷史 / トランスクリプション / 初期刊本 / グーテンベルク聖書 / 活版印刷
研究概要

本研究の目的は、第一に、書誌学的な研究において有用なXMLによる初期刊本の本文の記述(トランスクリプション)の方法論を確立することである。次に、その方法論に基づき、西洋最初の活版印刷本であるグーテンベルク聖書を対象としてXMLによる本文の記述を作成し、それを用いてグーテンベルク聖書の印刷工程の解明に向けた研究を進めることである。
本年度は、XMLによる初期刊本の記述の方法論および具体的な作業手順の確立に向けた研究を行った。初期刊本は、使われている書体の特徴から機械的な自動認識が難しく、また多数の異字体・短縮語・縮約語や、印刷中の修正作業による現存本間の異同が存在するため、単純なテキストデータでは印刷史研究にとって有用な研究材料とはならない。そこで、初期刊本の本文のトランスクリプションに必要とされるタグ付け方法を検討するために、文献調査により、従来の初期刊本研究において着目されてきた項日を整理した。補足として、グーテンベルク聖書の原資料調査を行い、特に考慮すべき項目を追加した。
グーテンベルク聖書には、およそ300種類の活字が使われている。そこで、正確なデータ入力を可能にするために、練習用データを用いてトランスクリプション・データの入力者の訓練を行った。入力に際しては予め異字体等のリストを作成し、それぞれに入力規則を定めた。入力者からのフィードバックを受けてさらに詳細な入力規則を作成し、正確で効率的な入力ができるように工夫した。
入力者の訓練後に、グーテンベルク聖書の一部のページを対象としてトランスクリプション・データを作成した。そのデータを基に、トランスクリプションにおいて表現すべき記述項目やその程度について、アメリカの先進的な初期刊本研究者との意見交換を行った。さらに、その結果に基づきデータ入力方法を改善し、次年度からの本格的なデータ入力の準備を整えた。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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