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2012 年度 実績報告書

XMLによる初期刊本の本文記述の方法論の確立と印刷史研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20700225
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

安形 麻理  慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (70433729)

研究期間 (年度) 2008-04-08 – 2014-03-31
キーワードトランスクリプション / 初期刊本
研究概要

本研究の目的は、第一に書誌学的な研究に有用な形でXMLによる初期刊本の本文を記述するための方法論の確立を目指すこと、第二にその方法論に基づき、西洋最初の活版印刷本であるグーテンベルク聖書を対象として本文記述(トランスクリプション)を行い、印刷工程の解明に向けた研究を進めることである。
本年度は、グーテンベルク聖書の本文のトランスクリプション・データの入力をさらに進めた。適切な画像データの入手に時間がかかったために入力作業の開始が遅れたが、実際の入力作業を進めるとともに、文書画像文字検索ソフトによる補助的な手段の試用も含め、効率的な入力方法についても検討を続けた。近年、画像検索の性能は向上しているが、それでも初期刊本のような古い資料の場合は機械的な画像認識の精度が低いため、人手で入力する方が早く、正確であることを確認した。
特定の作品の校訂版を作るためではなく、印刷工程の解明において役に立つような事柄を効果的に記述するためには、どのようなタグを付与すべきかを明らかにすることが重要である。そこで、引き続き、初期刊本に関する従来の研究や、XMLを用いた写本の校訂版、原資料調査を通じ、付与すべきタグの改善を行った。タグとしては、同じアルファベットのなかでの形の違い、さまざまな縮約記号、活字が逆向きになっているなどの印刷上の誤り、印刷中に行われた修正の痕跡などが考えられるが、どの程度まで細かく付与すべきかについては、作業にかかる労力や時間との兼ね合いから判断する必要がある。本年度は、こうした実現可能性という制約の中で採用するタグを決定し、作業を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

付与すべきタグの選定と改善については順調に進んでいる。
本文のトランスクリプション・データの入力作業については、適切な品質の画像データの入手に時間がかかったために予定よりも遅れてしまった。しかし、現在は画像が入手できており、入力作業が比較的順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本研究では、一般的な校訂版の作成を目的としたトランスクリプションに比べ、異字体を厳密に区別するなど詳細なデータを作成しているため、入力・確認・修正作業の工程に非常に時間がかかっていた。入力の際の規則をわかりやすく整理することで作業効率の向上を図っており、今後も効率的な作業方法の検討を続ける予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヨーロッパ初期印刷本研究とデジタル化の技法:グーテンベルク聖書の画像を用いた校合とXMLによるコーディング2012

    • 著者名/発表者名
      安形麻理
    • 学会等名
      日本オリエント学会第54回大会
    • 発表場所
      東海大学湘南キャンパス
    • 年月日
      20121125-20121125

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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