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2008 年度 実績報告書

透明視の知覚コストを指標とした視覚情報の脳内符号化様式の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20700234
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

渡部 修  室蘭工業大学, 工学部, 講師 (50343017)

キーワード初期視覚 / 透明視 / ポピュレーション符号化 / 両眼立体視 / 運動視
研究概要

両眼視や運動視では, 重ね合わせた複数の面を同時に知覚できる透明視と呼ばれる現象が知られている. 近年, 脳の視覚情報処理メカニズムを探る上で, この透明視現象が注目を集めている. これは, 透明視現象が, 視覚情報が脳内でどのように表現(符号化)されるかという, 脳の情報処理において本質的な問題を提起するためである. 本研究は, 透明視における符号化能力の急激な低下(知覚コスト)に注目し, 視差及び運動情報の脳内表現様式をそのパフォーマンスの側面から検証することを目的としている. 本年度は, 大きく分けて以下の二点を実施した.
1. ポピュレーション符号化モデルの構築とモデルパフォーマンスの算出
生理学的なニューロン応答特性を取り入れた, 視差及び運動情報を表現する生物学的に妥当なポピュレーション符号化モデルを構築し, その符号化能力を計算論的に検証した. この結果, 透明視状況におけるモデルの符号化コストはパフォーマンス指標(検出閾及び精度)によらず定性的に同じ特性を持ち, 視差情報を加えることで消失することを明らかにした.
2. 知覚コストの視差及び運動方向依存性の検証
両眼視及び運動視における透明面知覚コストを検証する心理物理実験を行った. その結果, 運動透明視においては, パフォーマンス指標によって知覚コストの特性が異なることを明らかにした. これはモデル予測とは異なる特性である. 一方, 視差情報を加えると, モデルと同様に, 何れのパフォーマンス指標でも知覚コストは消失した. これらの結果は, 近傍のニューロンが活動するときの発火率相関がポピュレーション符号に影響を与えていることを示唆する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 視覚情報の脳内表現と知覚パフォーマンス-モデル予測とその心理物理学検証のケーススタディー-2008

    • 著者名/発表者名
      渡部修
    • 雑誌名

      日本神経回路学会誌 15

      ページ: 193-202

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A neural network model for stereo transparency with the population of the disparity energy models2008

    • 著者名/発表者名
      Osamu Watanabe
    • 雑誌名

      Neurocomputing 71

      ページ: 3158-3167

    • 査読あり
  • [学会発表] Stereo transparency in ambiguous stereograms that have potential matches leading to both transparency and non-transparency perceptions2008

    • 著者名/発表者名
      Osamu Watanabe
    • 学会等名
      ECVP2008
    • 発表場所
      ユトレヒト(オランダ)
    • 年月日
      2008-08-25
  • [備考]

    • URL

      http://cortex.csse.muroran-it.ac.jp

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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