1.行動実験 前年度開発したInformation Boardと呼ばれるコンピューターインターフェイスを用いてカテゴリー学習時および適用・汎化時の選択的注意データを記録する行動実験を行い以下のような結果が得られた。[1]獲得された概念と行動はone-to-oneのマッピングではなく、many-to-manyもしくは知識の加工を介したone-to-manyであり、獲得された概念が引き起こす認知行動は多様的であり、状況に応じた適応的であるということが示された。このような現象は既存の多くの認知モデルが適用している、ベクトルによる知識の表記を否定すると共に、本モデリング研究で提唱している行列表記を支持している。[2]獲得される知識の将来の有用性を操作することによって、学習方法や獲得される概念に相違がうまれることが示された。 2.モデリング研究 20年度に提案したParticle Swarm Optimization(PSO)による認知モデルをさらに発展させ、概念形成モデルにおいて知識の構造を変数として操作可能であることを示した。そして実際に複数の知識構造をもつモデルを計算機シミュレーションによる比較を試みた。また、行動実験の結果[2]も、このモデルによって説明可能であることをしめした。
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