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2010 年度 実績報告書

特異モデルに対するモデル選択法の構築およびその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20700252
研究機関九州大学

研究代表者

二宮 嘉行  九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (50343330)

キーワード情報量規準 / 漸近分布理論 / バイアス補正 / 非正則統計モデル / ブラウン運動 / 変化点モデル / モデル誤特定 / モデル選択
研究概要

本年度に行った研究の中で最も意義深いと思われる結果は,変化点モデルに対する情報量規準の拡張である。変化点モデルは特異モデルを典型例としたいわゆる非正則統計モデルの一つであり,通常のモデル選択理論を適用することは妥当でない.例えば情報量規準AICも,期待平均対数尤度の推定量としての元来の定義から導出すると,罰則項はパラメータ数の2倍とならず,それにもかかわらず形式的にAICを適用すると複雑なモデルを選びすぎる傾向に陥ることになる.この背景のもと,昨年度までにおいて;元来の定義に基づいた妥当なAICを導いてきたが,通常のモデルに対するAICと同様,それは真の分布がモデルの中に入っているという仮定のもとで導かれたものであった.そこで,その仮定をはずしたもとで情報量規準,いわゆる変化点モデルのTICを今年度導いた.指数型分布族に属する分布に独立にしたがう,あるいは自己回帰モデルにしたがう中でパラメータの値がシフトするという基本的な変化点モデルにおいて,そのTICは陽な形で与えられることを示した.また,真の分布がモデルから少しずれている場合に,期待平均対数尤度とAIC,TICを比較すると,AICよりTICの方がはっきりと期待平均対数尤度に近いことを数値実験により確認した.そしてこの場合において,TICによるモデル選択の方がAICによるモデル選択に比べて妥当である,具体的に述べるとAICによるモデル選択は保守的すぎる結果を与えることも数値実験により確認した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ベイズ法を用いた単木成長予測モデル2011

    • 著者名/発表者名
      二宮嘉行・吉本敦
    • 雑誌名

      森林資源管理と数理モデル

      巻: 10 ページ: 333-349

    • 査読あり
  • [学会発表] A distribution theory for testing the existence of spatial clusters2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Ninomiya
    • 学会等名
      Australian Statistical Conference
    • 発表場所
      Perth(オーストラリア)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] A Conservative Test for Detection of Spatial Clustering2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Ninomiya
    • 学会等名
      The International Symposium on Statistical Analysis of Spatio-Temporal Data
    • 発表場所
      Kamakura
    • 年月日
      2010-11-06
  • [学会発表] 構造変化を持つ時系列モデルに対する情報量規準2010

    • 著者名/発表者名
      二宮嘉行
    • 学会等名
      シンポジウム「非線形時系列に対する現象数理学の発展」
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-07-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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