| 研究概要 |
ネスティッド・ケース・コントロール研究は、既に対象集団が定義されているコホート研究において、ケース(興味があるイベントを発症した対象者)を同定し、その発症時期に一致させて、その時期のリスク集合からコントロールを選ぶデザインである.その中でも、発症時期のリスク集合の中で指定されたマッチング変数の水準がケースと同じ集団からランダム抽出するデザインである層別ネスティッド・ケース・コントロール研究が提案され、近年がん疫学研究などへの応用例がみられている.層別ネスティッド・ケース・コントロール研究では、コホート研究全体を用いた場合に比ベハザード比の推定精度が低くなることは避けられない.そこで、コホート研究全体を解析した場合の精度により近い推定量を得ることが期待される.本研究では、層別ネスティッド・ケース・コントロール研究における解析方法の開発を目的として、既存の方法よりも推定精度が高くなるハザード比と絶対リスクの推定方法に関する調査を進めた.まず、層別ネスティッド・ケース・コントロール研究における絶対リスクを推定する方法を検討し、これをまずコホート研究全体のデータに当てはめ、その結果を学術雑誌に報告した.次に,実際の層別ネスティッド・ケース・コントロール研究への応用とハザード比の推定方法に関する調査し,学術雑誌への投稿まで行った.
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