研究概要 |
予測誤差を適切に評価する方法を研究した. Rubinのベイジアンブートストラップを用いる予測方法の有効性を議論する中で, 特に実データを用いた解析を行うときに, 予測誤差の適切な推定が求められたため, 年度は実データ解析など真の分布がわからない場合に予測誤差をより適切に評価する方法について研究を行った. 予測誤差を評価するのに広く用いられているものにK-fold cross-validationと呼ばれる方法がある. 一般にleave-one-out cross validationと呼ばれる方法が広く研究されているが, 推定に複雑な計算が含まれるような状況では, 5-fold cross-validationや10-fold cross-validationなどが用いられる. 一方, 5-fold cross-validationや10-fold cross-validationでは, 推定に用いるデータ数が少なくなるため予測誤差の推定値にバイアスが生じる. そのため, 5-fold cross-validationや10-fold cross-validationを用いる場合に生じるバイアスを補正するための方法について研究を行った. 既存のcross-validationのバイアス補正についての研究を調べると, Burmanの方法とYanagiharaの方法が見つかったが, Burmanの方法はK-fold cross-validationについての方法を提供しているがYanagiharaの方法ではleave-one-out cross-validationのときのみ扱っていた. そのため, Yanagiharaの方法を一般のK-fold cross-validationに拡張する方法を考え, その有効性をざまざまな数値実験を通して調べた.
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