近年我々の研究グループで開発した自由エネルギー関数は水和に着目している。その関数を用いて、従来から一般によく用いられている構造サンプリング法と組み合わせ、蛋白質の立体構造予測を実施した。11種類の蛋白質に対して、フラグメントアッセンブリ法(FA法)およびモデル比較法(CM法)を用いて、試験的に計算を実行した。挑戦した蛋白に関する限り、主鎖炭素(Cα)のRMSDで、約2. 0Å程度の範囲内で構造予測に成功した。さらに粗視化モデルによる天然構造近傍(RMSD<3Å)の局所的な構造サンプリングを実施したところ、直線的な正の相関が得られたので、更なる予測精度の向上には、サンプリング方法に改善の余地が残されている結果となった。
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