研究課題
メタゲノム解析によって取得された塩基配列は、非常に新規性の高い微生物種を多く含み、これまで解読されてきたゲノムとは異なった特徴を有する場合が多い。新規性の高い生物種由来のゲノム断片配列を連続塩基頻度の特徴のみで生物種ゲノムごとに再構築するための解析手法の開発を行った。ヒト腸内細菌由来の混合メタゲノム解析由来配列を対象に、メタゲノム解析由来配列の塩基組成を反映させたランダム配列を数倍量混在させたBLSOMを作成したところ、同一生物種由来のゲノム配列ごとに分類でき、ゲノム再構築が可能であった。本手法の確立により、構成するゲノムの種数を明らかにでき、生物種別の代謝経路の概要を理解可能となる。様々な環境に対するメタゲノム解析由来配列を対象に検証を実施し、断片化サイズや連続塩基頻度などの最適な解析条件の検討を実施している。メタゲノム解析由来配列には、新規性の高い微生物種のみならず、ウイルスゲノムも豊富に含まれている可能性が高い。そこで、メタゲノム解析由来配列中のウイルスゲノムを検出し、系統推定するために、現在公開されているウイルスゲノムを対象にしたBLSOM解析を実施した。ウイルスゲノムでは、500塩基程度の比較的短い断片化サイズでも生物系統を反映した高精度な分離が可能なことを見出した。これにより、原核生物で構築してきたBLSOMを用いた系統推定解析フローを適応することが可能であり、ウイルスゲノムの検出、ならびに、系統推定が可能である。現在、報告されている様々な環境に対するメタゲノムを対象に、ウイルスゲノムの網羅的な探索とその系統推定を実施している。
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