• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

線虫の神経回路を介した嗅覚順応における情報伝達の仕組みの解明および新規分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20700290
研究機関九州大学

研究代表者

広津 崇亮  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (70404035)

キーワード嗅覚 / 線虫 / 神経可塑性 / 順応 / シグナル伝達経路 / グルタミン酸受容体 / Ras-MAPK経路
研究概要

線虫の神経回路レベルで成立する嗅覚順応において、未解決の問題に焦点を当てて解析を行い、本年度は以下のような成果を得ることができた。
(1) in vivoライブイメージングによるRas-MAPK経路の活性の時空間的制御
Rasの活性化イメージング分子であるRaichu-Rasを嗅覚神経で発現させ観察したところ、匂い刺激に応答したRasの活性化を観察することができた。また、Rasの活性化が匂いの濃度変化に応答していることもわかった。三量体G蛋白質やcGMP依存性チャネルの変異体では、Rasの活性化が見られる頻度が著しく低下した。従って、Rasは匂いシグナル伝達経路の下流で活性化すると考えられる。
(2) 網羅的RNAi法を用いた匂いシグナルのインプットの仕組みの解明
嗅覚レセプター遺伝子の網羅的RNAiを行い、遺伝子機能阻害株の匂いへの走性を調べるスクリーニングを行った。822遺伝子について、すでに3次スクリーニングまで解析を終了しており、実験に用いたすべての匂いに対して候補遺伝子を取ることができた。また、4次スクリーニングも部分的に終了しており、srh-139、srb-1遺伝子の機能阻害株が、ペンタンジオンに対する応答に有意な欠陥を示すことがわかった。これらの遺伝子の産物は、嗅覚受容体である可能性が示唆される。
(3) 順遺伝学、逆遺伝学的手法を用いた嗅覚順応に関わる新規分子の探索
クローニングが容易なMos1トランスポゾンを用いた変異体のスクリーニングにより、順応に関わる新規分子の探索を行った結果、AMPKをコードするaak-2が得られた。既存のaak-2変異体も順応に異常を示すことから、AAK-2が順応に関与していることが示唆される。また、逆遺伝学的手法により、翻訳制御因子IFE-2の関与もわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] GPC-1, a G Protein {gamma} Subunit, Regulates Olfactory Adaptation in Caenorhabditis elegans2009

    • 著者名/発表者名
      Yamada K, Hirotsu T, Matsuki M, Kunitomo H, lino Y
    • 雑誌名

      Genetics 181(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 線虫C. elegamsの神経回路を介した嗅覚順応機構の分子遺伝学的解析2008

    • 著者名/発表者名
      前田恭介、広津崇亮、石原健
    • 学会等名
      BMB2008
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] 線虫C.elegansにおける匂いの濃度に依存した行動変化を制御する神経回路の解明2008

    • 著者名/発表者名
      吉田和史、広津崇亮, 飯野雄一、石原健
    • 学会等名
      第80回日本遺伝学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-03
  • [学会発表] 線虫C. elegansの嗅覚順応はネプリライシンNEP-2により制御される2008

    • 著者名/発表者名
      山田康嗣、広津崇亮、松木正尋、國友博文、飯野雄一
    • 学会等名
      第80回日本遺伝学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-03
  • [学会発表] 線虫C. elegansの嗅覚応答を制御するG蛋白質シグナル2008

    • 著者名/発表者名
      広津崇亮、山田龍司、紙崎智子、佐藤則子、石原健
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-06-10
  • [備考]

    • URL

      http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~bunsiide/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi