研究概要 |
シナプス伝達の強さを決めるファクターとして,近年,細胞膜上におけるシナプス内外の受容体のやり取り,すなわち「受容体のダイナミクス」が注目されている.申請者は,GABA_A受容体のダイナミクスがカルシウムシグナルによって制御されていることを発見した.この現象はシナプス可塑性の誘導や,てんかんの発症に関わる可能性がある.本研究では,GABA_A受容体ダイナミクス制御に関わる分子とシグナルカスケードを明らかにすることを目的とする.最終的には,神経制御や脳神経疾患を,受容体ダイナミクスという視点から統一的に理解することを目指している.本研究では,以下の3点を行う. (1)GABA_ARダイナミクス制御と抑制性シナプス可塑性の関連性を検討 (2)IP_3R1欠損マウスのてんかん発症がシナプス内GABA_ARの不安定化に由来するかを検証 (3)カルシウムシグナル依存的にGABA_ARダイナミクスを制御するタンパク質の同定
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