反発性軸索ガイダンスを駆動する成長円錐での非対称性エンドサイトーシス

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20700302
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 神経科学一般
• 研究機関: 独立行政法人理化学研究所
• 研究代表者: 戸島 拓郎 独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, 研究員 (00373332)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• キーワード: 神経成長円錐 / 軸索ガイダンス / クラスリン依存性エンドサイトーシス / ダイナミン1 / カルシウム / カルシニューリン / 全反射蛍光顕微鏡法 / ケージド化合物光解離法

研究概要

神経回路形成中の軸索先端部に現れる成長円錐は,細胞外環境に存在する軸索ガイダンス因子に誘引・反発されることで標的まで辿り着く。本課題では,成長円錐の反発を駆動する分子メカニズムを解析した。反発性ガイダンス因子に遭遇した成長円錐では,クラスリン依存性エンドサイトーシス頻度の左右非対称が観察され,この非対称性エンドサイトーシスが反発性旋回の駆動力を提供していることが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Asymmetric clathrin- mediated endocytosis drives repulsive growth cone guidance. (2010)
  • 著者名/発表者名: Takuro Tojima, Rurika Itofusa, Hiroyuki Kamiguchi
  • 雑誌名: Neuron 66 ページ: 370-377
  • 査読あり
• [雑誌論文] The nitric oxide-cGMP pathway controls the directional polarity of growth cone guidance via modulating cytosolic Ca2+ signals. (2009)
  • 著者名/発表者名: Takuro Tojima, Rurika Itofusa, Hiroyuki Kamiguchi
  • 雑誌名: Journal of Neuroscience 29 ページ: 7886-7897
  • 査読あり
• [雑誌論文] DSCAM deficiency causes loss of pre-inspiratory neuron synchroneity and perinatal death. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kenji Amano, Morimitsu Fujii, Satoru Arata, Takuro Tojima, Masaharu Ogawa, Noriyuki Morita, Atsushi Shimohata, Teiichi Furuichi, Shigeyoshi Itohara, Hiroyuki Kamiguchi, Julie Korenberg, Akiko Arata, Kazuhiro Yamakawa
  • 雑誌名: Journal of Neuroscience 29 ページ: 2984-2996
  • 査読あり
• [雑誌論文] 誘引性・反発性軸索ガイダンスを制御するカルシウムシグナル (2008)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 上口裕之
  • 雑誌名: 実験医学 26 ページ: 1852-1858
• [雑誌論文] カルシウムシグナルによる軸索ガイダンスの制御機構 (2008)
  • 著者名/発表者名: 秋山博紀, 戸島拓郎, 大芦典子, 上口裕之
  • 雑誌名: 蛋白質核酸酵素 53 ページ: 153-163
• [学会発表] 神経成長円錐ガイダンスにおけるクラスリン依存性エンドサイトーシスの役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 糸総るり香, 上口裕之
  • 学会等名: 第62回日本細胞生物学会大会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2010-05-19
• [学会発表] Asymmetric endocytosis drives growth cone repulsion downstream of Ca2+ signals. (2009)
  • 著者名/発表者名: Takuro Tojima, Rurika Itofusa, Hiroyuki Kamiguchi
  • 学会等名: 39th Annual Meeting Society for Neuroscience
  • 発表場所: Chicago, USA
  • 年月日: 2009-10-18
• [学会発表] The role of nitric oxide-cyclic GMP pathway in switching the directional polarity of growth cone guidance. (2009)
  • 著者名/発表者名: Rurika Itofusa, Takuro Tojima, Hiroyuki Kamiguchi
  • 学会等名: 39th Annual Meeting Society for Neuroscience
  • 発表場所: Chicago, USA
  • 年月日: 2009-10-18
• [学会発表] 反発性成長円錐ガイダンスにおける非対称性エンドサイトーシスの関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 糸総るり香, 上口裕之
  • 学会等名: 第32回日本神経科学大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-09-17
• [学会発表] 成長円錐局所エンドサイトーシスによる反発性軸索ガイダンス制御 (2009)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 糸総るり香, 上口裕之
  • 学会等名: 第61回日本細胞生物学会大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2009-06-03
• [学会発表] 神経軸索ガイダンスを駆動する成長円錐での非対称性膜トラフィッキング (2008)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 秋山博紀, 糸総るり香, 上口裕之
  • 学会等名: 第31回日本神経科学大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-07-10
• [学会発表] 一酸化窒素による反発性軸索ガイダンスの制御 (2008)
  • 著者名/発表者名: 糸総るり香, 戸島拓郎, 上口裕之
  • 学会等名: 第31回日本神経科学大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-07-09
• [学会発表] カルシウムシグナルによる神経突起ガイダンスの制御機構 (2008)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 秋山博紀, 糸総るり香, 上口裕之
  • 学会等名: 第60回日本細胞生物学会大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2008-06-29
• [図書] 脳の発生と発達(岡本仁(編)) (2008)
  • 著者名/発表者名: 戸島拓郎, 上口裕之
  • 総ページ数: 141-185
  • 出版者: 東京大学出版会
• [備考]
  • URL: http://www.riken.jp/r-world/research/lab/nokagaku/recovery/neuronal/index.html