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本研究課題の目的は、ラットのヒゲ感覚系において、視床から大脳皮質に投射するニューロンの反応特性と軸索の形態学的特徴との関係を明らかにすることであった。研究計画のとおり視床ニューロンのヒゲ刺激に対する反応を記録した後、BDAを注入しニューロンの標識を行った。大脳皮質に到達する軸索まで可視化され、その終末の分布はニューロンの受容野の大きさと関係があることが分かった。すなわち単一のヒゲにのみ反応するニューロンはそのヒゲに対応するbarrelに多くの神経終末を集中して分布させ、一方、複数のヒゲに反応するニューロンはそれらのヒゲに対応する領域のsepta(barrelとbarrelの間)に多くの神経終末を分布させていた。septaに存在するニューロンは複数のヒゲに対し反応することが知られているが、その反応の基盤となるのは、視床に存在する複数のヒゲに反応するニューロンから大脳皮質に投射される興奮性の入力であることが示された。複雑な中枢感覚系システムにおいて、その構造と機能を理解する上での重要な一所見を提供した。
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