研究課題
統合失調症は世界人口の約1%で発病がみられる重篤な精神障害である。統合失調症の発症原因は未だ明らかにされていないが、中枢神経系の発達障害が発症原因の一つであると考えられている。本研究では、統合失調症脆弱性因子DISC1とその結合蛋白質の生理機能を明らかにすることにより、統合失調症発症の分子メカニズムを理解することを目的とする。(1) DISC1とその結合分子Girdinとの機能解析:DISC1の新規結合分子としてGirdinを同定した。DISC1はGirdinと共に生後の海馬の歯状回において、神経細胞の移動・発達に重要な役割を果たしていることを明らかにした。(2)DISC1新規結合分子の同定法法の開発:統合失調症は多因子疾患であることから、DISC1のみを解析していても統合失調症発症の分子メカニズムの解明に繋がりにくい。これまでにDISC1結合分子の同定を試みてきたが、より効率よく同定するための技術開発を行った。その結果、ショットガンと呼ばれる方法により、多数のDISC1新規結合分子を同定することに成功した。(3)統合失調症モデルマウスの作製と解析:DISC1のノックアウトマウスを作製した。以上の結果から、平成21年度の研究計画はほぼ達成されたものと考えられる。
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