研究課題
DANCE蛋白質は加齢進行性疾患に対するタンパク質医薬になり得るか?共同研究の成果として、リコンビナントDANCEタンパク質がin vitroにおいて弾性線維形成を誘導することを明らかにした。この治験を基にして、個体レベル(in vivo)においてもリコンビナントDANCEタンパク質が弾性線維の再形成を誘導できるかどうか検討を目指した。もしリコンビナントDANCEタンパク質が弾性線維形成不全マウスの加齢進行性疾の発症を予防することが出来れば、新規のタンパク質医薬候補となり得る。これら実験の為には、大量のリコンビナントDANCEタンパク質を産生・生成する必要がある。産生効率を向上させるために人工染色体ベクターを用いたタンパク質産生系を計画した。予備実験として、CHO細胞中の人工染色体ベクターにタンパク質発現ベクターを導入し、効率よくかつ安定にタンパク質が発現することを明らかにした。さらに発現量を増加させるために導入した遺伝子のコピー数を増加させる試みを行った。その結果、通常と比較して10-1000倍程度ノンコピー数の増大を認めたクローンを得ることに成功した。その後、実際の産生量がどれくらい増加しているか検討を行った。人工染色体導入マウス作製に関する基盤技術の開発本研究ではトランスクロモソミックマウスを用いた研究を計画している。鳥取大学で開発されたトランスクロモソミックマウスは染色体工学と発生工学の融合によって開発したまったく新しい技術より作製した遺伝子改変マウスであり、従来の遺伝子改変マウスの問題点を克服できる。昨年度に引き続きトランスクロモソミックマウス作製技術の有用性と汎用性をより向上させ、本研究に用いるマウスを作製する研究を行った。その結果、複数の遺伝子を染色体の特定部位に導入できるES細胞の構築に成功した。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Proc Natl Acad Sci USA 106
ページ: 19029-19034