研究概要 |
1. ニワトリ後期胚の自律神経発達に関する研究 昨年までに行ってきた音の周波数帯による自律神経機能への影響調査に加えてテンポによる影響調査を行った. 音は1kHzの断続的なsin波を使った. 音刺激そのものに対して心拍数応答があった個体は多かったが, 反応したパターンや変動量などは, 日令あるいは心拍数とテンポとの差による大きな違いは見られなかった. また, 見られた心拍数変動も本来持っている生理的成因に起因するゆらぎの変動よりも小さくかった. 特に周産期においては孵化に起因する大きな心拍変動があり, その大きな変動を音によってコントロールする, つまり自律神経活動を外部からコントロールすることは非常に困難であるとの結論にいたった. ヒヨコに対して同様の実験を行い結果を比較する必要があると思われる. 本研究成果は電気・情報関係学会連合支部大会にて発表した. 2. 画像処理によるニワトリ初期胚の体動解析 ニワトリの目の座標を検出することで胚の位置を特定し, 体動を解析するシステムを構築した. 目の検出には数種類の画像フィルタを用いて比較したが, どのフィルタが適しているかは計測画像により一長一短であり今後はこれをオートで判断するアルゴリズムを検討する必要がある. また, 今回構築したシステムでは検出ミスにともなうノイズ座標の除去を可能としたが, それ以前に誤検出をなくすために検出方法そのものの検討も今後の課題である. 本研究成果は電気・情報関係学会連合支部大会にて発表した.
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