高効率遺伝子発現機能をインテグレートした血中滞留型超分子遺伝子ベクターの創製

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20700394
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 医用生体工学・生体材料学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 石井 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80415075)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 薬物送達システム / 非ウィルス型遺伝子ベクター

研究概要

全身投与による遺伝子治療に必要な、安全な遺伝子ベクター開発を推進すべく、先行研究が進んでいる合成高分子ベースの非ウィルス型遺伝子キャリアの血中滞留性向上に焦点を絞り、疎水性基による会合体の構造安定化を試みたところ、血中滞留性の向上と遺伝子発現効率の増大が達成された。さらにがんを移植したモデルマウスに血管新生を阻害する遺伝子治療を試みたところ、既存キャリアに比べ有意にがんの成長が抑制されることを明らかとした。

研究成果

• [雑誌論文] Polyplex micelles prepared from ω-cholesteryl PEG-polycation block copolymers for systemic gene delivery. (2010)
  • 著者名/発表者名: Makoto Oba, T.Ishii, 他11名
  • 雑誌名: Biomaterials 32 ページ: 652-663
  • 査読あり
• [雑誌論文] Biodegradable polyamino acid-based polycations as safe and effective gene carrier minimizing cumulative toxicity. (2010)
  • 著者名/発表者名: K.Itaka, T.Ishii,, H.Hasegawa, K.Kataoka
  • 雑誌名: Biomaterials 31(13) ページ: 3707-3714
  • 査読あり
• [雑誌論文] Efficient delivery of bioactive antibodies into the cytoplasm of living cells by charge-conversional polyion complex micelles. (2010)
  • 著者名/発表者名: Y.Lee, T.Ishii, 他8名
  • 雑誌名: Angew.Chem.Int.Ed. 49(14) ページ: 2552-2555
  • 査読あり
• [雑誌論文] Charge-Conversion Ternary Polyplex with Endosome Disruption Moiety : A Technique for Efficient and Safe Gene Delivery. (2008)
  • 著者名/発表者名: Y.Lee, T.Ishii, 他8名
  • 雑誌名: Angew.Chem.Int.Ed. 47(28) ページ: 5163-5166
  • 査読あり
• [学会発表] 疎水性ドメインにより構造安定化されたPEG化ポリイオンコンプレックスミセルの遺伝子ベクターとしての機能評価 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石井武彦, 他7名
  • 学会等名: 第25回日本DDS学会
  • 発表場所: 東京ドームホテル
  • 年月日: 20090004
• [学会発表] 自己触媒型生分解性を有するポリアミノ酸ベース遺伝子キャリアの生体適合性評価 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石井武彦, 他2名
  • 学会等名: 第58回高分子討論会
  • 発表場所: 熊本大学
  • 年月日: 2009-09-18
• [学会発表] ポリイオンコンプレックスの構造安定性と遺伝子発現の最適化を目指した疎水性ドメインを有するPEGブロック共重合体の合成と機能評価 (2008)
  • 著者名/発表者名: 早川佳之, 他4名
  • 学会等名: 第57回高分子学会討論会
  • 発表場所: 大阪市立大学
  • 年月日: 2008-09-26
• [学会発表] ポリイオンコンプレックスの安定化を目指した疎水性ドメインを有する新規PEGブロック共重合体の合成と機能評価 (2008)
  • 著者名/発表者名: 早川佳之, 他4名
  • 学会等名: 第18回バイオ・高分子シンポジウム
  • 発表場所: 上智大学
  • 年月日: 2008-07-25
• [学会発表] ポリイオンコンプレックスの構造安定性と遺伝子発現の最適化を目指した疎水性ドメインを有するPEGブロック共重合体の合成と機能評価 (2008)
  • 著者名/発表者名: 早川佳之, 他4名
  • 学会等名: 第57回高分子学会年次大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2008-05-29
• [備考]
  • URL: http://www.bmw.t.u-tokyo.ac.jp/
• [産業財産権] 疎水基を導入したカチオン性高分子より形成される高効率siRNAデリバリーシステム (2009)
  • 発明者名: 片岡一則・宮田完二郎・西山伸宏・石井武彦・呉寿栄・Kim HyunJin
  • 権利者名: 東京大学
  • 産業財産権番号: 特願,2009-031799
  • 出願年月日: 2009-02-13