研究概要 |
主に磁場と磁性流体のシミュレーションの高精度化と高速化に関する研究を行なってきた.これまでに開発してきた磁気カラムのシミュレーションを行なった結果,医用診断のための液体磁気クロマトグラフィーに適していないことが,開発したシミュレーション・ツールから分かった.開発してきた磁気カラムは,磁性流体の進行方向に対して,磁気カラム内の磁場勾配は正負が交互に発生しており,磁性流体が蛇行する原因を作っていた.これでは,効果的な磁気分離が行えないことが,開発してきたシミュレーション・ツールから判断できるようになった.そこで,磁気カラム内で磁場勾配が上下で正負になるような,新しい磁気カラムを開発してきた磁場・磁性流体シミュレーション・ツールを使用して設計した.今後は,実験で新しく設計した磁気カラムの性能を検証する. また,磁気分離をシミュレーションするために,2種類の磁性微粒子を扱えるようにシミュレーション・ツールの改善を行なってきた.まだ,計算時間に問題点があるが,2種類の磁性微粒子をシミュレーションで扱えるようになり,高精度な磁場・磁性流体のシミュレーションの開発に成功した.しかし,2種類の磁性微粒子の相互作用など,まだミクロレベルでの磁気的挙動が明らかになっておらず,今後は,実験とシミュレーションの比較により磁気的挙動を明らかにする必要がある 当該年度の成果としては,メゾスコッピクレベルでの磁場・磁性流体のシミュレーションが高速かつ高精度に行えるようになった.
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