本研究は、急性冠症候群を対象とした運動療法におけるリアルタイム3次元心エコー図法による評価システムの開発と臨床応用を目的とするものである。今年度は、ダイナミックな運動環境下で経時的連続的に左室壁運動を追跡するためのフリーハンド式経胸壁的運動負荷リアルタイム3次元心エコー図法の評価測定手法の開発と運動療法場面での左室壁運動み回復過程かちみた運動強度の妥当性に関する検証を行うことを目的とした。現在の研究実施状況について、心エコー図法の基本的測定手技の確立なちびに運動負荷心エコー図法を使用した左室収縮能、拡張能の測定を行っている。基本的測定手技については、2次元心エコーによる壁運動ならびに心内血流における測定精度の向上を図っている。測定機器については、2次元心エコー2機種を使用し、安静時および運動時の壁運動描画能力および心内血流速度測定処理能力を検出、2機種間での相違を検討している。画像処理機器では、心エコー測定機器からの映像信号をA/Dコンバーターを介してPCヘリアルタイムに取り込むシステムを作成している。運動負荷心エコー図法による左室収縮能、拡張能については、自転車エルゴメータによる負荷システムの作成を検討している。研究実施に関わる今後の方向性として、1.壁運動ならびに心内血流における測定精度および同一被験者内・検者間再現性の獲得、2.フリーハンドでの測定方法の開発と信頼性および妥当性の検証、3.心壁運動動画モデルの作成と取り込まれた動画へのパターン化モデルに対するマッチング、4.運動負荷による左室収縮能と拡張能の経時的変化の追跡の4点を行っていく。今後の研究方針については、前年度および今年度の研究に継続してフリーハンドでの運動負荷心エコー図法の評価手法を開発、運動療法場面での左室壁運動の回復過程からみた運動強度の妥当性に関する検証を行う。
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