研究概要 |
本年度は、前年度に構築したシステムを継続的に利用し、遠隔からのサービス提供を実施した。提供されたサービスの内容は、4歳~5歳の機能性構音障害児の構音訓練を実施して患児の誤り音を修正し正しく構音できるようになった。従来、小児を対象とした遠隔からのサービス提供は子供が離席してしまうなどの課題があり難しいと考えられていたが、本研究において実施方法や対象児を適切に選択することで実施できることが示唆された。以上の結果については、本年4月にTHE INTERNATIONAL eHEALTH, TELEMEDICINE AND HEALTH ICT FORUM(Luxemburg)で発表を予定している。 また、同システムを利用して遠隔地において対面で実施した知能検査等の結果を患児の保護者や保育士、保健師に対して説明を行い保育や療育における指導助言を実施した。 本年度は、継続的にシステムを利用していたがサービス提供が困難になるようなネットワークや機器のトラブルはなく、本システムの安定性が実証された。また、遠隔側での機器操作はPCの電源を投入するだけでサービス提供の開始から終了までのプロセスを進行させることが可能であり、本システムの取扱のしやすさも実証された。 次年度は、対象とする児の年齢、障害の幅を拡大するとともに、対象地域を増やす予定である。また、遠隔からのサービス提供を受ける前と後における養育者の子育て負担の変化についても定型の指標を用いて比較検討する予定である。
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