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2010 年度 実績報告書

脳情報通信技術による手話文脈認知解析

研究課題

研究課題/領域番号 20700437
研究機関工学院大学

研究代表者

田中 久弥  工学院大学, 情報学部, 准教授 (80296384)

キーワード日本手話 / アノテーショ / ERP / N400 / 意味処理
研究概要

日本手話の対話解析のためのアノテーションソフトウェアMovie Analysis Tool(以下MAT)を研究開発した.アノテーションはsINGDEXに基づいたタグ付けが行われるだけでなく,手話認知に関係する自律神経系反応の記録とメタ情報の付与が含まれる.MATの基本機能である動画再生とタグ付け機能を継承しつつ,生体信号だけでなく手話動作の動態信号など複数同時に扱えるようにした.まずミリ秒の時間情報に基づいたアノテーション機能を開発した.これにより時間分解能の高い生体信号に対してアノテーションすることが可能になった.それに伴いMATのインタフェースとデータ構造をXML記述へ変更した.XML記述を採用することで,時間単位の変更を可能としただけではなく,マルチユーザアノテーションの仕組みを持たせることができた.
また,文脈認知の意味処理機構を事象関連電位(ERP/N400)計測に基づいて調査した.常用表記と非常用表記の脳内処理メカニズムを解明するために,単語参照プロセスモデルを仮定し,ミスマッチ反応によるモデルの検証を行った.今回の調査対象は,認知プロセッサのうち文字認識プロセスと意味処理プロセスであった.このプロセッサの処理過程が事象関連電位N400から明らかになった.今回は,非常用表記が常用表記に比べてN400電位が有意(p<0.05)に増大し,ボタン反応も同様に延長した.一方,単語の意味が通る平文では表記間で電位に差が見られず,カテゴリ違い・無意味語では単語の意味処理の負荷が増大するに従って両者の差は有意(p<0.01)に増大した.平文で電位に差が見られないということは,意味処理で文字の形は影響を受けていないとも考えられる.するとその前の処理過程で文字の形を処理している可能性もあり,単語照合のプロセスで唱えたモデルを今後より詳細に検討する必要性がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 動画と生体信号の相互参照が可能なアノテーションソフトウェア2010

    • 著者名/発表者名
      合田弓太郎, 田中久弥, 長嶋祐二
    • 学会等名
      電子情報通信学会
    • 発表場所
      宮崎フェニックスシーガイヤリゾート
    • 年月日
      2010-12-15
  • [学会発表] ミスマッチ反応における常用表記とカタカナ表記の違い2010

    • 著者名/発表者名
      田中久弥, 山根寛子
    • 学会等名
      計測自動制御学会
    • 発表場所
      岡山大学医学部
    • 年月日
      2010-09-25

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公開日: 2012-07-19  

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