研究概要 |
脳卒中麻痺側上肢への機能訓練として随意運動介助型電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulation : IVES)を用いた.回復期脳卒中片麻痺患者20名の麻痺側上肢に,IVESによる訓練を3週間行ない,1週間の効果が保持されるかを検討した.IVESの実施方法として,電極を手関節背屈筋群に装着し,手関節背屈動作5秒(休止時間5秒)の反復運動と,40cm台上に設置したボール(直径7cm)へのリーチ動作を各10分ずつ計20分,7日/週,3週間行わせた.なお,IVESは作業 療法訓練時間内に行った.手関節a-ROMの平均は,開始時17.8度,3週後30.0度,保持期間後30.3 度で開始時と3週後に有意差を認めたが(p<0.01),3週後と保持期間後に有意差は認めなかった.また,IVES後の機能保持に対しては,開始時の手関節屈筋群の筋緊張による影響が考えられ,効果が 保持されない群では筋緊張が比較的高いか,または低緊張であるものが多かった.
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