部分免荷歩行訓練を簡便に行う懸垂式歩行訓練装置(BWS walker)を用いた場合の理学療法士の運動負荷をこれまでの一般的な訓練方法と比較検討した。 対象 : 歩行訓練に長下肢装具と杖および理学療法士の介助が必要な脳卒中片麻痺患者2名の歩行訓練時に普段から介助している理学療法士2名 計測 : 理学療法士が携帯式呼気ガス分析装置を装着し、患者の歩行訓練を介助する際の心拍数・酸素摂取量をブレスバイブレスにて連続的に計測した。 結果 : 理学療法士1一般的訓練時 : 心拍数121.1拍/分酸素摂取量11.5mk/kg/min BWS walkerを用いた訓練時 : 心拍数114.7拍/分酸素摂取量11.4ml/kg/min 理学療法士2一般的訓練時 : 心拍数108.8拍/分酸素摂取量6.1mk/kg/min BWS walkerを用いた訓練時 : 心拍数102.0拍/分酸素摂取量6.1ml/kg/min まとめ : 一般的訓練よりもBWS walkerを用いた歩行訓練の方が心拍数は低く、1名において酸素摂取量も少なく、BWS walkerを用いた歩行訓練のほうが一般的歩行訓練よりも理学療法士の運動負荷が少なかった。2名の患者の歩行習熟度に違いがあり、理学療法士間の酸素摂取量に開きがある。理学療法士2が訓練を行った患者は習熟度が高く、一般的訓練でも身体的負荷が軽く、そのため酸素摂取得量に変化がでなかったのかもれない。今後対象を増やして検討してゆく必要がある。
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