研究課題
マイクアレイによる音源定位の耐雑音性能と、高次局所相互相関による発声を伴った頭部ジェスチャー認識手法の認識精度の評価を行うために、被験者5名分の評価用データと雑音データの収録を行った。昨年度、特定話者の頭部ジェスチャー認識を目的に開発した手法を改善することにより、不特定話者の19種類のジェスチャー認識タスクで90.25%の精度を達成した。また、電動車いす操作用の5種類のジェスチャー認識タスクでは、同様に不特定話者の条件で、99.67%の精度を達成した。マイクアレイによる音源定位の耐雑音性能は、SNR-10dBでもクリーン時と比較して平均誤差が2.5cm(音源定位は間隔2cmのGrid上で行った)程度であることを確認した。電動車いすの実用性を高めるために、距離センサーをステッピングモータに固定し、約180°以内で方向を制御しながら障害物までの距離を測定できる距離センサーを開発した。この距離センサーを用いて、走行時の進行方向にある障害物の自動検出の実現可能性を検討した。本研究課題で開発した発声を伴った頭部ジェスチャー認識技術を、電動車いすの操作だけでなく、情報家電やライトなどの操作インタフェースへの応用も試み、環境制御システムの開発を行った。この環境制御システムは、発声を伴いながら頭部を円状に動かすジェスチャーで、TV、ラジオ、ライトなどの操作対象毎に用意したメニューを切り替え、上下左右に動かす頭部ジェスチャーでメニュー内の項目を選択し、前後に動かすことで項目を確定する。更に、音量など微調整が必要な場合は、頭部の移動量に比例した値に設定するなどのアナログ的な操作方法の検討も行った。この環境制御方法のデモシステムを構築し、実際に手の不自由な障害者による主観評価実験を行った。
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EURASIP Journal on Advances in Signal Processing Vol.2009, ID 512314
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