1. 磁気共鳴画像法を用いた両側同時力発揮タスクにおける脳内相互作用の解明 両手鏡像運動時における左手の運動制御には左一次運動野からの同側皮質脊髄路の貢献が高くなるという仮説に基づき、最大ピンチ力の30%の強度での30秒間の力発揮課題を1)両手同時、2)左片手、3)右片手の三条件で行い、fMRIを用いて脳活動を比較した。その結果、右一次運動野の活動が左片手>両手同時となることが観察された。この両手同時力発揮時の右一次運動野の活動低下は、左手制御に対する左一次運動野による同側経路の貢献によるものと考えられ、左手の発揮力自体は同じでも片手時と両手時では左手を制御する基本的な神経基盤が異なっていることを示している。 2. 磁気共鳴画像法を用いた両手運動における一過性の相互作用と持続性の相互作用 二種類の両手運動モード(鏡像・非鏡像)における脳活動をそれぞれ左右片手運動時の脳活動の和と比較した。その結果、従来、非鏡像運動モードと鏡像運動モードの直接比較により調べられてきた両手運動特異領域は、鏡像非鏡像運動モードで両手協調のための付加的な活動を担う脳領域と、鏡像運動モードで左右片手運動時の和よりも活動が少なくてすむ脳領域に区別できることが明らかとなった。 3. fMRIバイオフィードバック実験の実験系の整備が順調に進んだ。 次年度の研究計画の準備として、リアルタイムfMRIバイオフィードバック実験の環境整備と実験課題の考案をした。
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