研究概要 |
本研究の目的は、幼少年期のラグビー体験が子どもの「規律心」の形成にいかなる影響を及ぼすか、個別面接調査に基づき実証的に検討することである。この主目的を解決するため,平成20年度から22年度の3カ年にわたり,茨城県および千葉県の幼少年期の児童から中学生を対象とし,質問紙を用いた調査を実施した。従来の量的調査研究ではなく、質的調査研究を試みている。本年度の成果は、論文2本において発表した。 当該年度の研究目的は、子どものこころと体の「規律心」を形成するラグビー体験の効果について、ラグビー経験者と未経験者を比較し,実証的に検討することであった.身体接触経験による規律心の基礎となるデータを収集,考察した. 当該年度の調査は2010年4月から12月において,ラグビー経験者406人,未経験者198人を対象に実施した.調査項目は,(1)プロフィール,(2)プレー中に湧き起こる否定的な気持ちについて,(3)プレー中に湧き起こる復讐心について,(4)日常生活における身体接触についてで、ラグビー経験者とそれ以外の児童に対して他者と身体接触を伴う活動を行う際に生じる「感情」に着目してアンケート調査を実施した. 身体接触を伴うスポーツ活動経験は,他者との身体接触に対する否定的感情を減少させる.日常生活では,ラグビー経験者の方が身体接触経験は少ない傾向が見られた.身体接触に対する嫌悪感が少ないためか,初対面の相手に対しても拒絶反応は少ない特徴がある.今後はこれらの良い点を教育に活かすより具体的方法について考察したいと考えている.
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