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2009 年度 実績報告書

山鹿流兵法書の分析をもとにした武道概念形成についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 20700486
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

田井 健太郎  東京医科歯科大学, 教養部, 特任助教 (00454075)

キーワード近世武芸 / 中世武術 / 山鹿流兵法 / 甲州流兵法 / 武士身分性 / 北条流兵法
研究概要

本研究は、武道の文化的淵源を明らかにするために、中近世の武芸書の中で、中世、近世の武術・武芸の原理的特性がどのように成立していたのかを解明することを目的とした。平成20年度には、本研究計画で蒐集、分析した甲州流兵法書、北条流兵法書の一部に変革する武士のエートス(性格、慣習)と武術、武芸の関係が複雑に関係した様を確認した。平成21年度は引き続き、甲州流兵法書、北条流兵法書、山鹿流兵法書を対象とした資料蒐集、分析を行い、山鹿流兵法へと続く武芸概念の形成過程の解明を行った。資料収集作業として、足利学校遺蹟図書館(7月)、平戸市積徳堂山鹿文庫(7月)での閲覧調査、蒐集、聞き取り調査を行った。足利学校調査では、林羅山が借用した『五経注疏』、兵書関連では『七書講義』を閲覧調査した。また、北条流兵法の興隆を支えた松宮観山による武具資料や天真真揚流柔術資料の所蔵が確認された。平戸市調査では、山鹿流兵法を藩の御家流として維持していたことを裏付ける松浦家資料、及び松浦藩所蔵の山鹿流兵法資料について史料調査、聞き取り調査を行った。特に重要な史料として撮影蒐集できたものは、赤穂藩の浅野兄弟による兵法起請文、素行自筆による数点の築城時における縄張りを記した絵図である。他にも現存する山鹿流陣太鼓、素行の縄張りによる平戸城の復元城郭の実地見分も重要な成果である。山鹿流兵法の教場である積徳堂跡では山鹿家の子孫の方から、家伝の史料や保存、素行時代からの伝承について教示をいただいた。これらは、中世、近世の思想文化の成立過程の解明を目指す本研究の課題に寄与するものであった。特に、これらの資料の検討から近世初期における武士の戦争術、戦闘徳の徳目的修養性が伺われることは、現代武道に受け継がれる身体技法あるいは身体運動と人間形成論との関連議論について歴史資料として意義のあるものと考えられる。現在、蒐集した史料から中世武術の原理的特性を考察した研究論文を作成中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 講道館、京都武徳殿、日本武道館の今昔2009

    • 著者名/発表者名
      田井健太郎
    • 雑誌名

      現代スポーツ評論21「国際化時代の武道を考える」 21

      ページ: 164-173

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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