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2010 年度 実績報告書

「体ほぐし」の指導に資する心身一体観構築を企図したカリキュラム構成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20700488
研究機関桜美林大学

研究代表者

山口 裕貴  桜美林大学, 総合科学系, 講師 (50465811)

キーワード体育科教育 / 「体ほぐし」 / 遊戯性 / 主体概念 / 歴史的身体観 / 他者性
研究概要

「体ほぐし」のねらいの焦点化とカリキュラム構成法の開発の糸口を見出すため、今年度は遊戯槻と体育史、教育行政哲学の観点を加味した文献調査を行った。「体ほぐし」では、「運動遊び」を楽しませてあげられるよう配慮すべきであって、カリキュラム構成の第一のポイントは、体を動かすことが即そのまま心地よさ、おもしろさといった心の動きにつながっていく、いわゆる「心」と「身」はあたかも一つの如く密接な関係にあるという感覚を、児童生徒に享受させることにある。そのために教員は、授業の「効率性」を度外視して、児童生徒の心身の活発な働きを誘発するための魅力的な場づくり(コーディネート)を考案しなければならない。
「体ほぐし」においては、児童生徒が、自己と他者の「心」と「身」のありように気づけるかどうかが重要な学習点である。そこで、人が「心」と「身」の両者を相互不可分的であると認識することの仕組みと意義を探る材料として、今年度はホイジンガの歴史的人間観を援用した。彼によれば、真面目に遊ぶ子どもたちは、全身全霊で遊びに没入する過程で、「充足感」「仲間との一体感」を味わいつつ、「遊びのもつ意味」の理解を促進させる。子どもは本質的に「遊び」を「ゆとり」であると認識している。自己と他者の良好な「関わり方」、このことに触れる最適の場は「遊び空間」であって、ゆとりのなかでこそ、彼らは「理性」を保ちうる。「理性」に目を向けた児童生徒には、その働きを駆使し、自己と他者の「存在」について考察するだけの素地が出来上がる。「私はどの行為を自分と他人に施すべきなのか」を見つめられるようになった児童生徒を、さらなる深い洞察へと教員は導いていく必要がある。そのための手立ての一つは「哲学」である。今後は、「体ほぐし」の授業において、どのような構成および方法によって哲学的な要素を取り入れていけるのかを検討していきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] スポーツ教育の萌芽期にみる社会思想的動向-「体育」から「スポーツ」への概念移行-2011

    • 著者名/発表者名
      山口裕貴
    • 雑誌名

      体育研究(神奈川体育学会紀要)

      巻: 第44号 ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サッチャリズム政策に存する根幹的イデオロギーの再検討-ニュー・ライトの思想傾向に関する質的考察-2011

    • 著者名/発表者名
      山口裕貴
    • 雑誌名

      桜美林論考「自然科学・総合科学研究」

      巻: 第2号 ページ: 55-71

    • 査読あり
  • [学会発表] 教育学的視座における「遊ぶ主体」としての子ども-ホイジンガ遊戯論にみる「真面目さ」の観点から-2010

    • 著者名/発表者名
      山口裕貴
    • 学会等名
      関東教育学会第58回研究大会
    • 発表場所
      聖徳大学(千葉県)
    • 年月日
      2010-10-24
  • [図書] 現代日本の教育を考える-理念と現実-(改訂版)2010

    • 著者名/発表者名
      岩本俊郎、浪本勝年、山口裕貴, ほか
    • 総ページ数
      102-108(128)
    • 出版者
      北樹出版

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公開日: 2012-07-19  

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