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2010 年度 実績報告書

障害者のスポーツ参加を通じた社会的統合化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20700494
研究機関金沢大学

研究代表者

奥田 睦子  金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (90320895)

キーワード障害者 / 健常者 / スポーツ / 統合化 / 医療保険制度
研究概要

ドイツにおける医療保険制度を適用した障害者のリハビリテーション・スポーツ制度について、障害者のスポーツ権と社会保障制度を成立させている歴史的、社会的背景とを踏まえた上で、日本における適用可能性を検討した。その結果、障害者のスポーツに限らず、歴史的にスポーツを地域のクラブで行ってきたドイツと学校体育や学校単位で行う部活動、企業単位を中心として行ってきた日本とでは、生活の中におけるスポーツ文化の捉え方が異なっており、クラブスポーツの形態が緒をついたばかりの日本において、地域のスポーツクラブで障害者があたり前にスポーツを行う生活感覚を皆が持つことは容易ではないことが考察された。また、リスク社会と言われている(U.ベック等)現代において、医療保険制度の適用を受けながら障害者が自らも通う地域のスポーツクラブでスポーツをしている姿を日常的に目にすることは、社会連帯が薄い社会における自己の将来像の疑似的可視化につながる可能性を有しており、それゆえ、医療保険の適用に必要な社会連帯と個人のリスクへの対応の2つの側面が同時に満たされる可能性が見出された。以上のことを踏まえると、日本における医療保険制度を用いた障害者の地域スポーツクラブへの参加については、生活におけるスポーツクラブ文化の醸成がキーになると考察された。
これらの内容について国内の学会で発表し、質疑応答を経てた。その結果、今後の研究課題として、本制度の実現可能性を高めるためには、指導者の養成方法の詳細を明らかにすることと、医療保険適用の費用対効果として、リハビリテーション・スポーツの効果の検証をどのように考えるべきであるのか等について、考察する必要があるとの認識を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ドイツにおける障害者の地域スポーツ活動への参加を支える社会的制度とその論理に関する一考察2011

    • 著者名/発表者名
      奥田睦子
    • 雑誌名

      金沢大学経済論集

      巻: 31巻1号 ページ: 161-181

  • [学会発表] 障害者の地域におけるスポーツ活動への医療保険適用の功罪-ドイツにおける近年の状況から-2010

    • 著者名/発表者名
      奥田睦子
    • 学会等名
      日本アダプテッド体育・スポーツ学会
    • 発表場所
      富山大学(富山県)
    • 年月日
      2010-12-05
  • [学会発表] ドイツにおける障害者スポーツ政策に関する一考察2010

    • 著者名/発表者名
      奥田睦子
    • 学会等名
      第5回西日本スポーツ社会学会
    • 発表場所
      鞆の浦荘(広島県)
    • 年月日
      2010-08-12

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公開日: 2013-06-26  

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