本研究の目的は、受傷選手の楽観性が前十字靱帯再建術前後の気分、痛み、コーピング、回復度にどのような影響を及ぼしているか把握すること、また、楽観性が心理スキルトレーニングの効果にどのように関与しているのか明らかにすることである。調査研究の被験者は、前十字靱帯再建術を受けた患者であり、スポーツ整形外科医により活発な身体活動を行っていると判断された68名であった。調査研究では、楽観性は、肯定的解釈と正の関係、責任転嫁、術後の緊張と負の関係があることを明らかにした。また、介入研究では、4名の受傷選手に対して心理スキルトレーニングを提供した。 その結果、楽観性が高い選手からは、認知的介入が身体的、心理的な回復に効果があったという知見が得られた。
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