研究概要 |
本研究では, 高等専門学校に在籍する一年生を対象に, 体育授業(陸上競技)を利用した両脚運動系と片脚運動系に分類したプライオメトリックスによる身体の適応変化を手がかりに, 疾走能力に影響を及ぼす下肢の体力因子について考察する「実験型体育授業」の展開を考えた. 平成20年度の予算執行時に陸上競技の単元が終了していたため, 運動部に在籍する学生を対象に研究を行うことで, 平成21年度の研究実施に向けた準備を進めた. 被験者は, 高等専門学校運動部に在籍する男子学生17名とした. プライオメトリックスは両脚運動系とし, 高さ60cmの障害を連続して跳び越えるハードルジャンプ(10台×8本)と, 高さ80cmの台に跳び乗る垂直跳(6台×8本)を週3回の頻度で8週間継続した. その結果, 各種測定項目の平均値は以下の通り変化した, (1)最大脚伸展筋力(359.7kg→374.6kg), (2)垂直跳(52.1kg→51.1kg), (3)立幅跳(2.41m→2.43m), (4)立五段跳(12.36m→12.51m), (5)リバウンドジャンプ接地時間(0. 165sec→0.170sec), (6)リバウンドジャンプ滞空時間(0.606sec→0.603sec), (7)リバウンドジャンプパワー(69.7W/kg→67.7W/kg), (8)0m-10m疾走記録(2.24sec→2.24sec), (9)10m-20m疾走記録(132sec→1.31sec)(10)20m-30m疾走記録(1.22sec→120sec), (11)30m-40m疾走記録(1.20sec→1.17sec), (12)40m-50m疾走記録(1.21sec→1.17sec). 現在, 前述の被験者については, 片脚運動系のプライオメトリックスが疾走能力に及ぼす影響について調査を進めている. また, 21年4月より当初予定の体育授業を利用したトレーニング研究に着手している.
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