研究概要 |
高炭酸ガスの呼吸循環亢進作用を運動トレーニングに応用するために、間欠的高炭酸ガス吸入(IHC)が持久性アスリートの換気応答に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 被験者は、大学生トライアスリートである男性6名と女性1名。IHCとして、被験者は1日1時間の高炭酸ガス(21%02、3%CO2、N2バランス)吸入を2週間行った。高炭酸ガス換気応答テストと低酸素換気応答テストを、1)IHC前、2)IHC1週間後、3)IHC2週間後、4)2週間のIHC終了から1週間後、計4回行った。また、最大運動負荷テストを2週間のIHC前後で行った。 2週間のIHCで、高炭酸ガス換気応答は増加傾向を示した。一方、低酸素換気応答に変化はなかった。最大運動負荷テストでは、最大換気量が146.0±29.0l/minから155.4±34.2l/minへ増加傾向を示した。最大酸素摂取量(58.9±7.4ml/kg/min vs.60.9±8,1ml/kg/min)、最大心拍数(188.3±8.7beats/min vs.189,1±8.2beats/min)、最大呼吸数(67.9±17.8f/min vs.71,7±21.3f/min)、最大運動負荷(255.7±36.4W vs.255.7±40.4W)、運動継続時間(891±109sec vs.904±130sec)に差はなかった。 本研究の結果から、2週間のIHCは持久性アスリートの換気能力を亢進させる可能性があることが示唆される。
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