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2008 年度 実績報告書

3次元映像解析法を用いた子どもの投動作の評価と運動発達指標の作成

研究課題

研究課題/領域番号 20700520
研究機関独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター

研究代表者

神事 努  独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 研究員 (20387616)

キーワード投動作 / 発育発達 / バイオメカニクス / スナップ動作
研究概要

本年度は、プロ野球投手2名、社会人野球投手2名、大学生投手7名、高校生投手8名の合計19名について、モーションキャプチャーシステムを用いた3次元映像解析を行った。体幹の長軸の姿勢角や肩関節の内外旋、前腕の回内外の捻り動作を含んだキネマティクス、キネティクス変量を求めた。
ボール速度と肩関節最大内旋トルクとの間に有意な相関関係が認められた(r=0.843)。この肩関節最大内旋トルクは、ボールリリースの0.265(±0.006)秒前に発現していた。肩関節最大外旋位の発現がボールリリース0.315±0.005秒であり、肩関節最大外旋位直後に最大トルクが発現していた。肩関節の外旋運動から内旋運動への切り替え動作中に内旋トルクの発揮がみられたことから、伸張性筋収縮から短縮性筋収縮へのストレッチ・ショートニングサイクルによってボールを加速させていることが推察された。
また、いわゆるスナップ動作として考えられている手関節の掌屈運動においても、最大角速度がボール速度と有意な相関関係を示した(r=0.683)。この運動に起因している掌屈トルクの最大値は、肩関節最大外旋位直後に発現しており、BRLに近づくにつれて小さくなっていった。一方、手首を掌屈方向の運動に作用させる関節力が,BRLに近づくにつれて増大していったことから、手関節の高速な掌屈運動は、掌屈トルクによるものではなく関節力に由来するものであると考えられた。
子どもの投動作の定性的な研究では、肩関節の内外旋に言及したものは無く、この運動にフォーカスすることは運動発達を評価する上で重要であろう。また、スナップ動作の正しい認識も動作の評価に有用な知見となり得る。平成21年度では子どもを被験者とし、熟練者と比較することで、肩関節内外旋を利用するための体幹や下肢の正しい運動や、ボール加速のためにスナップ動作を明らかにし、動作発達指標を作成する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] オーバーハンド投げにおけるボールリリース前後の前腕と手関節の運動に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      神事努、桜井伸二
    • 雑誌名

      東海保健体育科学 30

      ページ: 19-32

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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