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2008 年度 実績報告書

老齢性筋萎縮におけるオートファジーの誘導と運動刺激の効果

研究課題

研究課題/領域番号 20700531
研究機関早稲田大学

研究代表者

緒方 知徳  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (30434343)

キーワードオートファジー / 筋萎縮
研究概要

老化に伴う骨格筋の萎縮は、様々な要因が関わり合って進行する現象である。近年の研究では、その要因の一つとして、老化に伴い変性・機能不全に陥ったタンパク質や細胞器官の増加が、萎縮に関わる細胞死や筋機能の弱体化を招くことが推察されている。本研究課題では、骨格筋内で変性したタンパク質・細胞器官を除去する働きを持つオートファジーに関して検討を加え、老化におけるオートファジーの意義とその誘導に関わるシグナルの解明を目的に検討を進めた。2008年度は基礎的な検討として、骨格筋内のオートファジー誘導とそのシグナル経路の同定を行った。このため、ラットの絶食モデルを用いてオートファジーの誘導を検討した。絶食期間は1日、2日、3日間とし、ヒラメ筋、足底筋を摘出した。オートファジー検出は、マーカータンパク質であるLC3-llの発現量を分析することによって行った。その結果、1)足底筋はヒラメ筋に比べて絶食後の筋重量の低下が大きい(3日後のヒラメ筋 : -10%、足底筋 : -23%)、2)オートファジーの誘導をみると、コントロール群と比較してヒラメ筋ではLC3-llの発現が絶食1, 2日後まで発現の変化はほとんどみられないが、3日目で10倍の増加が認められた。一方、足底筋では、絶食1日後(5倍)、2日後(49倍)、3日後(108倍)で顕著な増加が認められ、足底筋ではヒラメ筋と比べて絶食後のオートファジー応答が著しいことが明らかになった。次にオートファジーの誘導に関わるとされる因子を検討したところ、特に足底筋では、絶食1〜3日後にかけてリン酸化mTORの著しい減少(3日後 : コントロールの-34%まで低下)が観察された。これらの結果から、絶食時におけるオートファジ-の誘導は、特に速筋で起こり易く、その誘導にはmTORのような筋収縮に深く関わるタンパク質の不活性化が関連している可能性が推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differential cell death regulations between adult-unloaded and aged rat soleus muscle2009

    • 著者名/発表者名
      Tomonori Ogata, et.al.
    • 雑誌名

      Mechanisms of Ageing and Development 130

      ページ: 328-336

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prolonged exercise training induces long-term enhancement of HSP70 in rat plantaris muscle2009

    • 著者名/発表者名
      Tomonori Ogata, et.al.
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology, Regulatory and Comparative Physiology (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 運動トレーニングは筋内HSP70を長期的に発現増加させる2008

    • 著者名/発表者名
      緒方知徳, 大石康晴, 村岡功
    • 学会等名
      第63回日本体力医学会大会, 大分
    • 発表場所
      大分県別府市
    • 年月日
      2008-09-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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