本研究は変性性認知症疾患の早期診断について研究した。対象は物忘れを主訴としてクリニックを受診し、アルツハイマー型認知症と診断された30例、および健常高齢者の30例の計60例である。なお、年齢および性別について有意な差は認められなかった。MRI画像から脳実質を抽出し、抽出された脳実質画像から濃度ヒストグラムを作成した。濃度ヒストグラムから得られる7種類のテクスチャ特徴量を算出した。 テクスチャ特徴量を用いて、アルツハイマー型認知症と健常高齢者を識別したところ、感度80.0%(24/30)、特異度73.3%(22/30)であったが、ニューラルネットワークを用いて識別した結果、感度100%(30/30)、特異度93.3%(28/30)であった。以上のことから、ニューラルネットワークを用いることでアルツハイマー型認知症の早期診断は可能であると考えられた。
|