研究概要 |
本研究では、環境配慮行動の規定因の中でも、特に環境規範の伝播に焦点を当て、どのように他者と影響を及ぼし合いながら環境配慮型ライフスタイルが広がっていくかを検討した。 本年度前半には、これまでに2年続けて行った小学生とその保護者を対象とした調査の結果の分析を行い、今後の調査の計画を検討した。また、小学校に対してはこれまでの調査結果のフィードバックを行い、再度継続調査への協力を依頼した。 本年度後半には、20年度に調査を行った小学校2校を対象とし、3回目の調査を実施した。これで、3年間連続して親から子どもへの規範の伝播の様子と、親子の行動の変化を検討できることとなる。昨年度は4,5年生を対象としたため、21年度は5,6年生を対象とし、対象学年の全員に対して担任の先生から質問紙を配布してもらった。児童がその質問紙を家庭に持ち帰り、保護者と児童が独自に質問紙に回答し、小学校において回収を行った。質問紙の回収数は225組(有効回収率78%)であった。 分析の結果、子どもの方が家族からの期待が環境配慮行動に強く影響を及ぼしており、特に親の行動の影響が強いことなどが明らかになった。 これまでの研究成果については、チューリッヒで行われたドイツ環境心理学会、日本社会心理学会・グループ・ダイナミクス学会合同大会において発表を行った。 また、アメリカなどの研究者と協力して行った、インターネットによる記述的規範(他者の行動の伝播)の調査について、分析結果を共同研究者らとメールで協議すると共に、ドイツ環境心理学会では、ドイツの研究者との打ち合わせを行った。
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