1、昨年度に引き続き、家庭科教育における授業実践報告を、日本家庭科教育学会、日本家政学会、家庭科教育研究者連盟の機関誌および学会誌から収集、分析作業中である。これは学術分野と民間団体における実践報告を分析することにより、より相対的に実践報告の現状と課題を把握することを目的として継続・実施している。 2、初年度、昨年度の予備調査をふまえ、家庭科教員を対象に聞き書き調査を実施した。家庭科教員が教科内のどの分野で授業を試みているのか、実践にいたる過程等を明確にすることができた。 3、家庭科において、性教育、男女平等に関する教育実践がどのように展開されているかについて、その課題をふくめ、分析した。8月29日に開催された日本教育学会にてその成果を報告した。さらに学会報告の一部内容について、日本家庭科教育学会に論文を投稿した(2010年7月、第53号第2号掲載決定、『家庭科におけるジェンダー/セクシュアリティに関わる教育実践の現状と課題-高校生と家庭科教師を対象とした調査から-』、[査読付論文])。 4、ジェンダー/セクシュアリティに関する内容として、高校生、大学生の若者を対象とした性暴力パンフレット、を作成、発行した(2010年4月)。今後、授業実践等において、教材として活用予定である。 5、1~3により、主に性の多様性に関する内容に関する教員の捉え方が個々人によって違いがあることが明確にされたことから、2009年2月より、高校、大学の教員、研究者とともに、高校生、大学生を対象とした性教育テキストを作成中である。
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