本稿の目的は、家庭科の教育実践において、ジェンダー/セクシュアリティに関わる問題がどの領域・分野でどのように展開されているのかについて、課題を含め明らかにすることにある。教員(家庭科担当)を対象とした調査の結果、男女平等に関する教育は、「日常生活レベル」に重点が置いた内容が多く、性教育は主に「保育分野」で扱われていた。内容は、命の大切さを教える教師、生徒の性に関する現状に合わせて授業を組み立てる教師、ライフスタイルの一つとして性を教える家庭科教師に分けられた。また、一部の家庭科教師は多様なセクシュアリティや人権に関する内容は、家庭科で「現段階で扱える多様性の範囲」として捉えていることが明らかとなった。
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