研究概要 |
本研究課題の目的である食品評価における視覚的情報の影響の解明に関して、まず、野菜の視覚的な鮮度判断に及ぼず輝度ヒストグラム情報の影響の解明に関して、昨年度得られた知見を英文論文にまとめ、食品の心理学的評価を扱う英文トップジャーナルAppetite(Impact Factor 2008=2.341)に投稿し、掲載された。次に、食品の視覚評価における色彩の影響の度合いを検討するために、典型色(記憶色)という観点から実験的に研究を行った。成人および乳児を対象とした実験から、典型色が食品認知に大きな影響を及ぼすこと、食品の典型色認知はおおむね6ヶ月頃から発生することが明らかとなった。なお、乳児の典型色認知に関する研究成果については、英文論文にまとめ、乳幼児心理学の主要な国際雑誌であるJournal of Experimental Child Psychology(Impact Factor 2008=2.333)に掲載された。これらの研究により、鮮度判断をはじめとする食品評価に、視覚的情報が重要な役割を果たしていることを実験的に明らかにしたといえる。なお、本研究成果は、H20-H21の研究期間中に、計3件の英文論文(すべて有審査)、計6件の学会発表により公表した。また、発行時期が未定のため業績欄への記載を見送ったが、本研究内容に関連して下記3件の図書(和文2件、英文1件)を分担執筆し、原稿が受理されたことを付記しておく。 1. 増田知尋・和田有史・木村敦(受理済).第7章 視覚による食の認知 日下部裕子・和田有史(編)味わいの認知科学勁草書房Pp.未定. 2. 木村 敦・和田有史(受理済).第10章 食と消費者行動 日下部裕子・和田有史(編)味わいの認知科学勁草書房Pp.未定. 3. Kimura, A., Wada, Y., &Dan, I. (accepted). Gender-based food stereotypes among young Japanese. V.R. Preedy (Ed.)International Handbook of Behavior, Diet and Nutrition. New York : Springer.
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